ブログ一般歯科
皆さんは鏡でお口の中を見て、「前より歯が長くなった気がする」「歯肉が痩せてきた気がする」と感じることはありませんか?
それはもしかしたら歯肉が下がる現象である「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」の症状かもしれません。
歯肉が下がると色々なトラブルが生じるため、放置せず、しっかり対策することが大切です。
今回はそんな歯肉退縮の原因と治療法、予防法について紹介していきます。
歯肉が下がる主な原因は、歯周病です。歯周病は進行すると炎症反応が強まり、歯肉が破壊されていくからです。
歯磨きを一生懸命行おうとしてブラッシング圧が強くなり過ぎると、歯肉にダメージが及びます。その結果、歯肉が破壊されてしまうことがあります。
上下の歯のかみ合わせが悪いと、過剰な負担が歯肉と歯槽骨(歯を支えている骨)にかかり、歯肉退縮をもたらします。
歯ぎしり・食いしばりも異常な力が歯肉へとかかるため、歯肉に炎症が起きて歯肉退縮を引き起こします。
矯正治療で力のかけかたを誤ると、過剰な負担が歯肉と歯槽骨(歯を支えている骨)にかかります。その結果、歯肉が壊れて下がっていきます。
歯肉が下がる現象を予防するためには、以下に挙げる方法で対策する必要があります。
歯肉退縮の主な原因は歯周病なので、それを予防することが最大の対策方法といえます。もうすでに歯周病を発症している場合は、1日でも早く歯周病治療を開始しましょう。歯周病の治療は長期に渡ることが多いので、早期に開始するに越したことはありません。
強いブラッシング圧で磨いてしまう人、歯と歯肉の境目を上手に磨けずについつい歯肉を傷つけてしまっている人は、まず歯科医院で正しいブラッシング法を習うことが大切です。当院までご相談いただければ、歯磨きのプロフェッショナルである歯科衛生士が、患者さんにとってより良いブラッシング法をご提案いたします。
かみ合わせの異常というのは、歯科医師でなければ正確に診断できません。その調整ともなると、なおさらです。そのため、かみ合わせの異常が疑われ、歯肉が下がる症状に悩まされている場合は、一度当院までご相談ください。精密に検査した上で、かみ合わせの異常が原因と診断した場合は適切な方法で調整いたします。
歯ぎしり・食いしばりといった悪習癖は、歯肉退縮だけでなく、歯の破折や摩耗、顎関節症の原因にもなるため、早期に改善するのが望ましいです。歯科で歯ぎしりを治療する方法としては、専用のマウスピースによるスプリント療法が一般的です。
矯正治療によって歯肉が下がっている場合は、装置の設置状態に不具合があるものと考えられます。とくにワイヤーの屈曲度によっては強い力がかかり過ぎるため、歯肉退縮をもたらすことも多いです。早急に、矯正装置を調整しましょう。主治医に歯肉が下がっていることを伝えれば、適切に対処してくれます。
歯肉退縮は、軽度であれば上述した方法で改善できますが、重症化すると外科的処置が必要となります。それは「歯肉の移植」と「歯周組織の再生」です。
○結合組織移植術
結合組織移植術(けつごうそしきいしょくじゅつ)とは、お口の中の天井部分から粘膜を採取して、歯肉が下がった部分に移植する治療法です。自分自身の組織を移植するので、拒絶反応などは起こりません。
○歯肉弁側方移動術
歯肉弁側方移動術(しにくべんそくほういどうじゅつ)とは、歯肉退縮を起こした隣から、健康な歯肉を持ってきて、移植する治療法です。歯肉を横に移動するので、このような名前が付けられています。
○エムドゲイン法
エムドゲイン法とは、エムドゲインというゲル状の薬剤を用いて、歯肉や歯槽骨を再生する方法です。
○骨移植
患者さんご自身の骨や人工骨を用いて、失われた骨を再生する方法です。骨移植の一種であるGBR法では、歯肉も再生させることができます。
このように、歯肉が下がる原因はいくつかに分かれるので、まずはどれに該当するかを歯科医院で検査する必要があります。その上で、ご自分に合った治療法を選択しましょう。歯肉が下がると、虫歯や知覚過敏になりやすかったり、見た目が悪かったり、食べ物が挟まりやすかったり、と様々なデメリットがあります。そうなる前に適切な予防が必要なので、歯肉が気になったら当院までご相談ください。
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