お口のメインテナンスブログ一般歯科
虫歯になると、治療で痛い思いをすることになるほか、銀歯を詰めて見た目が悪くなるなど、たくさんのデメリットが生じます。
それだけに、虫歯はできるだけ予防したい、と考えている方も多いと思います。そこでよく疑問に感じるのが「うがい薬」の効果ですよね。
結論からいうと、うがい薬だけで虫歯を予防することはできません。とはいえ、歯ブラシによるブラッシングと併せると、虫歯予防効果が高まることも事実です。
今回は、うがい薬の虫歯予防効果や種類、正しい使い方などをわかりやすく解説します。
ひと言で「うがい薬」といっても、その種類は大きく2つに分けられます。それは「マウスウォッシュ(洗口液)」と「デンタルリンス(液体歯磨き)」の2種類です。
これらは使用目的が大きく異なるのですが、違いについて理解していない方も大勢いらっしゃいます。
マウスウォッシュは、洗口液という名前からもわかる通り、お口をすすぐためだけに使用します。おそらく皆さんがイメージしている「うがい薬」がこれに当たります。
マウスウォッシュには、殺菌作用や抗菌作用のある薬用成分が配合されており、適量をお口の中に含んでクチュクチュとうがいするだけで、虫歯予防効果が期待できます。
うがいをした後は、水ですすぐ必要はありません。
デンタルリンスは、いわゆる“液体歯磨き粉”であり、歯を磨くために使用します。ですから、使用のタイミングとしては、歯磨きを始める直前です。
液体成分がお口の中の隅々にまで行き渡ることから、歯垢の除去効果が高まります。また、泡立ちも抑えられるため、従来の歯磨き粉のように磨いた気になることも少ないです。
マウスウォッシュやデンタルリンスは、使い勝手が良く、とても便利な口腔ケア用品ですが、使い方を誤ると、虫歯予防効果も大きく減少します。それぞれ使い方に違いがありますので、十分にご注意ください。
○先に歯磨きを済ませておく
マウスウォッシュを使用する場合は、必ず先に歯磨きを済ませておきましょう。歯面に歯垢や食べカスがある状態でマウスウォッシュを使用しても、その効果は半減してしまいます。
○マウスウォッシュを使用した後は飲食しない
マウスウォッシュを使用した後に食べ物や飲み物を口にすると、再び、細菌の活動が活発化してしまいます。お口の中をゆすいだ意味も半減するため、少なくともマウスウォッシュ後30分は飲食を控えてください。
○口内炎などがある場合は使用をやめる
マウスウォッシュには、比較的刺激の強い成分が配合されています。とくにアルコールが使われているものは、傷口に痛みを生じさせるため、口内炎などがある場合は使用を一時的に控えましょう。
○マウスウォッシュを使用した後は口をすすがない
マウスウォッシュを使用した後は、お口の中に刺激が残るため、水ですすぎたくなるお気持ちもよく理解できますが、それは控えてください。マウスウォッシュによる殺菌効果などが薄れてしまうからです。
デンタルリンスの使い方は、比較的シンプルです。歯磨きを行う直前に、それぞれのメーカーが指定している量でうがいをします。お口の中でクチュクチュするのは30秒程度です。その後、お口の外に吐きだして、普段通り歯磨きを始めます。マウスウォッシュと同様、口内炎などがある場合は使用を控えた方が良いです。
うがい薬を選ぶ際には、以下の3点を意識しましょう。
うがい薬には、それぞれの製品で異なる成分が含まれています。例えば、うがい薬によって口臭やお口の粘つきを改善したい場合は、殺菌成分が含まれているものを選びましょう。歯垢やステインなどを効率良く落としたい場合は、洗浄成分が含まれたものを選ぶと良いです。歯周病による歯茎の炎症を改善する「抗炎症作用」が期待できるうがい薬もあります。
うがい薬の使用感は、アルコールが配合されているかどうかで大きく変わります。うがい薬を使用した後のピリピリした感覚が苦手な方は、アルコールが入っていないものを選んでください。
うがい薬には、特徴的な香味が含まれていることが多いです。この香味が苦手、嗅ぐと気持ちが悪くなるという方もいらっしゃるかと思いますので、そうした場合は無香料のうがい薬を選びましょう。
このように、うがい薬にはマウスウォッシュとデンタルリンスの2種類があり、それぞれ使用方法や目的、期待できる効果に違いがあります。
当院は、厚生労働省から、より専門的に予防のためのメインテナンスを行う「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」に認定されておりますので、うがい薬の正しい選び方や使い方もきちんとお伝えすることができます。ご自宅でのセルフケアを充実させたい方は、お気軽にご相談ください。
PAGE TOP