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インプラントブログ
現状、失った歯を歯根から回復できる治療法はインプラント以外にありません。それだけにインプラントを希望する方は年々増えているのですが、年齢的な要素に不安を感じているケースが少なくないようです。そこで今回は、インプラントの年齢制限や高齢者が受ける際のリスクなどについて詳しく解説します。
結論からいうと、インプラント治療に年齢的な下限はあります。具体的には、20歳未満の方にインプラント治療を実施することはほとんどありません。インプラントというのは、顎の骨にチタン製の人工歯根を固定する治療であり、顎骨の発育が途上にある子どもに対して適応するとさまざまなトラブルが生じます。インプラントを理想的な位置に埋入したとしても、その後の成長で全体の歯並びやかみ合わせが変化し、適合不良を起こすことも珍しくないのです。ただし、交通事故や先天性の病気などが理由でやむを得ず、インプラントを小児期に適応することがあります。
次に、高齢の方がインプラントを受けるケースについてですが、基本的に年齢の上限は存在していません。70歳や80歳になっても、インプラント治療を受けることは可能ですし、実際に受けている方もいらっしゃいます。とはいえ、インプラントには外科手術が必須となっており、全身状態が悪くなると適応が難しくなります。そうした背景もあって、インプラントを受ける方の年代としては、40～60代が最も多く、70～80代になると徐々にその数が減っていきます。
上述したように、インプラント治療を受ける方の割合は、40～60代で最も多くなっています。これは中年期に歯を失う方が最も多いことも深く関係しています。とくに男性の場合は、管理職などにつく年であり、口腔ケアに気を配る余裕がなくなります。虫歯や歯周病に気がついたとしても、歯科に通院する時間を確保できないことから、歯を失うほど重症化させてしまうのです。女性も子育てや家事、仕事などに追われる時期であり、歯のメインテナンスに割く時間がないのが現実です。
インプラント治療は、70～80歳になっても受けることはできますが、外科手術を伴ったり、費用が高くなったりするなどの理由から、別の選択肢を選ぶ方が多くなっています。ブリッジや入れ歯なら保険が効くため、経済的負担を軽減できますからね。治療期間に関しても、保険のブリッジや入れ歯の方が短いことから、心身の負担を減らすという意味で選ばれやすい選択肢といえます。
70～80代でインプラント治療を受ける方が少ない理由としては、もうひとつ「身体的なリスク」が挙げられます。やはり、70歳を超えると体力が衰えたり、基礎疾患を持つようになったりと、体にさまざまな問題が生じてくるものですよね。とりわけ以下に挙げる4つのリスクには十分注意しなければなりません。
インプラント治療では、歯ぐきをメスで切開し、顎の骨にドリルで穴をあけるなど、比較的負担の大きい外科処置を伴います。40～60代くらいであればとくに問題にもならないのですが、70～80代になると免疫力も低下しており、術中および術後の感染リスクが上昇します。
高血圧症や糖尿病、心臓にかかわる病気などを患っていると、外科手術を受けた際に全身状態が急変することがあります。具体的には、出血が止まらなくなったり、血圧が急激に上昇したりするなど、命にかかわるような事態を招きかねないため、重篤な全身疾患を患っている方はインプラント以外の治療法を選択する傾向にあります。もちろん、そうした持病があっても全身状態が正常にコントロールできているのであれば、インプラント治療も問題なく受けられます。
インプラント治療のかなめとなるのは、チタン製の人工歯根と顎の骨との結合です。専門的には「オッセオインテグレーション」と呼ばれるもので、この現象が正常に進まなければ、インプラント手術も無駄に終わってしまうのです。ちなみに、人工歯根と顎骨が結合する力は、免疫力や自然治癒力と直結していることから、年齢が高くなるにつれて不利になると言えるでしょう。
インプラントの手術は、医科の手術と比べるとかなり軽い部類に入りますが、体力のない高齢の方にとってはそれなりにきついものとなります。そうした体力面を鑑みて、入れ歯・ブリッジを第一選択とするケースも珍しくはありません。
このように、インプラントは顎骨の成長が終わる20歳くらいから、全身の健康状態も比較的良好な70歳くらいまでに受けるのが良い治療法といえます。ただし、年齢はあくまで目安であって、仮に若くても顎の骨の状態が悪かったらインプラントを受けることができませんので、その点はご注意ください。いずれにせよ失った歯の治療法を検討する際には、精密検査を受けた上で歯科医師としっかり相談することが大切です。
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